特集 ここまでできる外来看護
—初期からターミナルまで—がん患者の通院・在宅治療を支援する「デイケアセンター」
八木 保
,
関根 毅
1
,
本誌編集室
1埼玉県立がんセンター
pp.616-619
発行日 1999年7月1日
Published Date 1999/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905874
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
かつてがんの治療は入院で行なわれることが一般的だった,しかし,医療の進歩による治療方法の拡大や生存率の向上,QOL重視などから,外来通院・在宅治療が重視されはじめた。いまやがんは一つの慢性疾患であり,この病気と長くつきあう患者にとって入院は点にすぎない.すでに多くの患者が住みなれた自宅や地域で生活をしながら,通院や在宅で治療を受けている.
埼玉県立がんセンターでは,1993年から患者の通院治療のニーズ拡大に対応する体制づくりに取り組んできた.在宅・通院重視の流れのなかで,1998年院内に45床の「デイケアセンター」を設置.通院治療および在宅ケア支援を専門に担う部門として位置づけ,専任のスタッフを置いた.またデイケアセンターは,同時期にスタートした緩和ケア病棟と連携しながら,「最期まで家で」という患者・家族のニーズにも対応している.いわば治療の初期から最終ステージまで,患者の通院・在宅治療を支援する専門部署である.全国の病院のなかでもこのようなシステムを確立しているところはまだ,めずらしい.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.