フロントライン'99 老人看護
高齢者への人間的ケアを強化するための視点—アメリカ最新の老人看護学カリキュラムから
阿部 俊子
1
1東京医科歯科大学医学部保健衛生学科
pp.368-374
発行日 1999年4月1日
Published Date 1999/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905817
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はじめに
高齢化社会のなかで,患者人口に占める老人の割合は確実に増えている.米国では,病院で60%,在宅ケアでは80%,ナーシングホームでは90%の患者が高齢者である.看護の対象となる患者の高齢化に伴って,看護教育においても老人看護の比重を重くしていかなくてはいけない.ところが,日本でも米国でも老人看護のカリキュラムのあり方にはまだまだ改善の余地がある.
1998年10月,米国の老人看護学会がラスベガスで開かれた.そのゲストスピーカーがニューヨーク大学の老人看護の教授であるMathyMezey博士だった.その時に紹介されたのが,ここに紹介する老人看護カリキュラムだ.これは単に教育プログラムとして優れているばかりでなく,老人看護を実践するにあたっての,必要な看護知識について,新たな視点を臨床の看護婦に与えてくれる.
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