連載 家族の肖像・5(最終回)
「1人ぼっちじゃあない」
柳原 清子
1
1日本赤十字武蔵野短大
pp.1162-1165
発行日 1998年12月1日
Published Date 1998/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905730
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夏の風物詩—風鈴,うちわ,スイカ,そしてテレビの甲子園高校野球の実況中継のにぎやかさ—.田宮さんは,この季節,ある感慨を持って高校野球を見つめる.若い頃から高校野球ファンだった田宮さんは,毎年,春・夏欠かさず宝塚の実家から甲子園に出かけていた.かたわらにはまだ幼い2人の息子を連れて.
長男の啓くんは,幼稚園の頃から身じろぎもせず2試合でも3試合でも,じーっと見続ける子どもだった.小学校では少年野球をやり,中学入学と同時に野球部に入った.
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