特集 服薬の行動科学—「指導」から「援助」へ
服薬の確立が難しかった一症例—抗HIV薬の服薬援助への課題
大内 桂子
1
,
堀 成美
1
,
有馬 美奈
1
,
柴野 恭子
1
1東京都立駒込病院看護部
pp.1028-1030
発行日 1998年11月1日
Published Date 1998/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905705
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はじめに
慢性疾患における服薬の自己管理には,患者・医療者双方の努力・協力が必要である.抗HIV薬の服薬は,副作用への対処・飲み方の複雑さがあり,より患者・医療者間の十分なコミュニケーションが課題となっている.また服薬上の制限から,時には生活時間やライフスタイルの変更を検討することが必要となる.さらに,これに適応し,継続することは簡単なことではない.患者本人にとって,より良い服薬の確立が行なえるように看護援助を行なっていく必要がある.今回私たちは,抗HIV薬の服薬確立が難しかった患者を経験をした.そこで抗HIV薬の内服開始前に,①ライフスタイル,②服薬の知識,③服薬の意志などを把握したうえでQOLを考えた服薬援助が必要であると痛感したので報告する.
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