連載 ほんとの話をしようよ—直子の車椅子探訪記・3
「施設は余生を送るところではない」小峰和守さん
滝野澤 直子
pp.270-273
発行日 1996年3月1日
Published Date 1996/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905043
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
星の王子さま,入院する
「ぼくは星の王子さまなんです」
いたずらっぽく笑うのは,小峰和守さん49歳.長身のやせ型.ゆるやかに動く腕で電動車椅子を自在に操る.交通事故で歩けなくなる前は,プラネタリウムのメーカーで,製作,販売,修理と手がけていた.だから夜空をちょっと見上げれば,星座がみんなわかるって.
私はいまの小峰さんは好きだけれど,12年前に逢っていたら,きっと敬遠していたにちがいない.健常者の頃の小峰さんは,泣く子も黙るモーレツ会社人間だった.つくったプラネタリウムは世界中にあるという.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.