特集 医療の壁・医療者の壁—外国人患者を迎えるとき
外国人患者との「ことば」の障壁を乗り越えるために
小林 米幸
1,2
1医療法人社団小林国際クリニック
2AMDA国際医療情報センター
pp.1022-1025
発行日 1995年11月1日
Published Date 1995/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904927
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筆者が本格的に在日外国人の医療にかかわりはじめたのは約10年前,インドシナ難民定住促進センターでボランティア的な嘱託医を引き受けたときからである.開業以来,本年7月末までの5年7か月で44か国,延べ1万246人の外国人患者の診療を行なった(表1).外国人患者の数は全患者数の約15%を占めている.
また外国人からの電話医療・医事相談に無料で応じるAMDA国際医療情報センターの所長として多くの外国人の相談を知る立場にもある.センターは,ルワンダ,旧ユーゴに現在も60人の医療スタッフを送り,阪神,サハリン大地震でいち早く活動を行なった医療ボランティア団体AMDA(旧名:アジア医師連絡協議会)日本支部が,国内プロジェクトとしての外国人医療に取り組むため設立され,東京と大阪にオフィスを持っている.昨年度に東京オフィスで受けた相談は2796件,関西オフィス(大阪)で受けた相談は933件に達し,その内容は毎日筆者へファクシミリで送られてくる.
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