特別記事
看護の源泉をたずねて
真壁 伍郎
1
1新潟大学医療技術短期大学部
pp.571-577
発行日 1995年6月1日
Published Date 1995/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904831
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聖路加看護大学の校歌に「美しく激しく生きん」という言葉があります.看護のわざに美しく激しく生きようという決意を言い表したものです.妹がこの学校へ入学して以来,これが私への問いかけとなりました.看護とは何なのか.その私なりの勉強の結果を,30年を経たいまみなさんにご報告したいと思います.
ALSという難病で,昨年31歳で亡くなった原宏道という青年がおります.彼が書いた「病床からの発信」という本の中で,彼は,入院していろいろな看護婦さんに会うけれども,出会うのは結局,その看護婦さんの人柄に出会うのであって,けっして看護婦という判で押したような人に出会っているのではないということをいっております.これをヴァージニア・ヘンダーソンは,「結局のところ,その人の看護の質をきめるのは,その人の人間としての質であろう」といっていますが,ほんとうにそうだろうと思います.ではいったいその質を決めるものは何なのか.それを,現代の問題と合わせ,看護の歴史をさかのぼりながら,考えてみようと思います.
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