連載 未来予想図 たとえば私の……・9
国境を越えたケアをめざして
畠山 清美
1
1三井記念病院高等看護学院
pp.574-575
発行日 1994年6月1日
Published Date 1994/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904574
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白衣のプロになれない不安
「看護婦になってみようかなあ」と思い始めてから,早いもので4年半がたった.ただ漠然と看護婦になることを夢見ていたのが,看護をめざす学生となり,最近では自分なりの看護婦像を描きながら,看護を学問として考えることもできるようにもなってきた.
准看護婦学校に通っていた2年間は,救急外来に勤務しながら,ただ与えられた勉強,実習だけを,それこそ受け身の姿勢でこなしているだけだった.卒業をひかえた冬,私はふと考えた.准看護婦として社会へ参加できることは確かにうれしいことだが,この私が患者にプロとしてのサービスを提供できるのだろうかと.そして,私の技術が納得のいくレベルにまでは達していないのではないか,という大きな不安を感じたのである.
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