出産後の母親への教育的援助に関する話題—入院中に行なう退院後の生活に向けた指導に焦点をあてて

　母性領域の臨床看護の中で，褥婦に対する退院指導は看護婦にとって最もなじみが深く，古くて新しい課題の1つではないだろうか．退院前の褥婦に対して日々繰り返し行なわれる習慣的な看護活動としての退院指導は，ともすれば画一的になりがちであり，また，その日常性ゆえに内容・方法ともに児直しされにくいように思われる．昨今，褥婦をとりまく社会情勢，環境の変化は著しく，褥婦やその生活の特性も当然のことのように変わってきている．

　そこで，今回の文献紹介は，各医療施設で退院前の褥婦に提供している指導について，振り返ったり，新たな検討を加えてみたりする時のための視点を提供することを目的とした．以下，比較的最近の海外文献の中から，退院指導の内容と方法に関連させて，いくつか紹介したい．