連載 カラーグラフ
褥瘡の治療と看護の実際・4
老人における褥瘡の特性とその治療
渡辺 幸子
1
,
吉田 亮一
2
1浴風会病院看護科
2浴風会病院内科
pp.641-648
発行日 1993年7月1日
Published Date 1993/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904313
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
高齢者における褥瘡は,加齢による身体的変化や基礎疾患が背景的成因,増悪因子となっている.そのため,持続的な圧迫,摩擦,失禁や発汗による皮膚の湿潤などの外因が加わると,褥瘡は容易に発生する(図1).一旦発生した褥瘡は,肉芽組織の形成や上皮化の遅延により遷延化する場合が多い.また,全身状態の悪化とともに褥瘡も悪化し,緑膿菌,大腸菌,その他の細菌感染により,敗血症に発展しやすく,生命の危機に結びつきやすい.
以下,褥瘡の背景的成因,増悪因子となる加齢による身体的変化と基礎疾患および褥瘡の治療について述べ,症例を紹介する.
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.