招待席
春日キスヨ—ケアとジェンダー—「ナースのお仕事」は女の仕事?
矢原 隆行
1
,
春日 キスヨ
2
1福山市立女子短期大学
2安田女子大学
pp.989-993
発行日 2002年11月1日
Published Date 2002/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904067
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——今年の保助看法改正まで「看護婦」という呼称が公式に使われてきたように,看護は女性性と強い結びつきを持った職業です.それは介護でも同様だと思うのですが,その理由をどのようにお考えでしょうか.
春日 この30年,男女平等ということが言われ続け,さまざまな領域でその成果が一定程度あがってきたのにもかかわらず,あいかわらず介護の担い手は女性ばかりです.現在でも,家族介護の85%が女性ですし,看護師については95%以上が女性ですよね.従来,そのことは「女性はケアに向いている」「看護職は女性にとっての適職だ」という形で説明されてきたと思いますが,私は納得できませんでした.そうした説明は,「なぜ適職とされているのか」という問いにまったく答えていないからです.
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