特集 危険な画像所見—ぬかりはないか? ②−循環器・頭頸部編
【頭頸部3】高血圧性脳内出血
久保山 一敏
1
,
丸川 征四郎
1
1兵庫医科大学救急災害医学講座
pp.738-742
発行日 2002年8月1日
Published Date 2002/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661904019
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疾患の概要
長期間の高血圧のため,細い脳動脈の壁は変性をきたして部分的に壊死に陥る。そこが徐々に膨隆して微少脳動脈瘤を形成し,破綻して出血を起こす.これが現在考えられている高血圧性脳内出血の発生機序である.くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤とは成因が異なるので,混同してはならない.
好発部位は,大多数が大悩(70%)であり,それに橋(5-10%),小脳(5-10%)が次ぐ.大脳では,被殻(40-50%),視床(20-30%)に多い.(大脳)皮質下出血(10-20%)は,加齢に伴なう脳動脈に限局したアミロイド血管障害が原因であることが多く,必ずしも高血圧が背景にあるとは限らないことがわかってきた.また呼称も脳葉出血と呼ばれることが多くなっている.
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