2001フロントライン 障害学
受容とは何か—当事者である研究者の視点から
松本 学
1,2
1京都大学大学院教育学研究科博士後期課程
2「ユニークフェイス」大阪
pp.541-545
発行日 2001年6月1日
Published Date 2001/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903752
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はじめに
さまざまな疾患を抱える当事者にとって,「受容」とは何を意味するのだろうか.本当に疾患を「受け容れ」ることはできるのだろうか.そもそも「受容」とはいったいどのような状態を指し示しているのだろうか.
筆者は,心理学を専攻する大学院生であり,顔にアザやキズなどを抱える当事者である.筆者の研究のスタンスは,当事者性を明示した記述を心がけることであり,当事者固有の心理的現実に即した人生のモデルを現場フイ—ルド心理学の方法1)(注1)によって構築することにある.
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