特集 死後のケア—基本技術と家族への配慮
[座談会]死後のケアを学ぶ—何を教え,何を伝えるか
清水 久美子
1
,
藤腹 明子
2
,
三輪 百合子
3
,
青木 かおる
4
1JA長野厚生連篠ノ井総合病院看護部
2飯田女子短期大学
3長野県立こども病院
4訪問看護ステーション篠ノ井
pp.110-116
発行日 2001年2月1日
Published Date 2001/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903661
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死後の処置から死後のケアへ
清水(司会) 私はこれまで疑問に思うことなく死後の“処置”ということばを使ってきました.今回,この座談会を開くにあたって,担当の方が死後の“ケア”ということをいわれて,何かあったかく,ほんわかしたものを感じました.処置を語るにしても,いままでとは違う何かを求められているのかな,と.
それで改めて考えてみますと,以前とは治療環境も変わっていて,介護保険も始まり,病院から在宅へという流れのなかで,患者さんが亡くなる場所も選択肢が広がっています.人々の人生の終焉の迎え方もさまざまになっている.そういうなかで,家族の求めるものと医療者側の考えていることには,心情的なものまで含めて大きな隔たりがあるのが現実だと思います.「死後のケア」ということを考えると,亡くなられた方への敬意を示すとともに,遺された家族に安らぎを与えることが大切ではないか,そういうケアをいかに実現できるか,ということが課題ではないかと思います.
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