特集 病みの軌跡と回復
不安との共存とさまざまな安定—心筋梗塞患者の回復過程の支え手になるために
宮本 千津子
1
1岐阜県立看護大学
pp.809-813
発行日 2000年9月1日
Published Date 2000/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903544
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はじめに
心筋梗塞の病みの軌跡はその重症度や合併症によってありようが異なります.残された心機能が低い場合にはライフスタイルを大きく変更する必要がありますし,狭窄の残存状況によっては再度のPTCAや手術適応となる場合があります.高脂血症や糖尿病を持つ患者は特別な自己管理が指示されるでしょう.
しかし,心筋梗塞患者であればだれにでも共通した体験というものもあり,このために他の慢性疾患とは異なる病みの軌跡が描かれます,看護は,患者が病みの軌跡を安定へ向かって方向づけることを援助するといわれています.そこで,心筋梗塞患者にとっての安定の定義とはどのようなものなのか,またそこへ至る軌跡のありようを,私が外来通院中の心筋梗塞患者を対象として行なった面接調査で得た言葉をもとに説明し,看護援助についての意見を述べたいと思います.
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