特集 疾患・外傷のある顔—知っておきたい「見た目」の問題
外見に現われた傷や障害をもつ患者のためにできる支援活動—米国の重度熱傷体験者が取った行動とその方法
手島 正行
1
1熱傷フェニックスの会
pp.432-437
発行日 2000年5月1日
Published Date 2000/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903466
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セルフヘルプグループを取り巻く現状
セルフヘルプグループという言葉を私たちが専門誌や新聞紙上で目にするようになったのは比較的最近のような気がします.しかし,この言葉は欧米では25年以上も前から使用されてきました.DIALOGオンライン情報検索システムで提供している医学文献データベースや米国大手新聞22紙の全文記事を収録しているデータベースを使用して,Self Help Group(s)という言葉の出現頻度を調べてみると表1のようになりました.新聞記事の収録が開始された1983年から1999年12月までの16年間に,この言葉はなんと2478回も紙面に出現し,単純平均すると毎月13回も新聞に掲載されたことになります.この言葉がもっとも頻繁に現われる1989年〜1994年は,セルフヘルプグループ活動が米国社会で活発に行なわれ,注目を集めていた時期といえます.
日本でも10年ほど前より,主として精神医療や精神保健の関係者を中心としてこの方面の活動に関心が寄せられるようになり,種々の疾患や症状に悩む患者とその家族の社会復帰に向けたリハビリに,セルフヘルプグループ活動が役立つことが報告されるようになりました.現在,医療関係者の手により全国に散らばっている患者会の実体調査も行なわれつつあります.しかし先行する米国では,すでに数え切れないほどの組織が設立され,市民権を得て草の根活動を展開しています.
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