特集 疾患・外傷のある顔—知っておきたい「見た目」の問題
医療は「顔」にどこまでかかわれるのか—最新形成外科技術でできること・できないこと
保阪 善昭
1
1昭和大学医学部形成外科学教室
pp.424-427
発行日 2000年5月1日
Published Date 2000/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903464
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
形成外科外来にはほんの小さな傷あとやシミを気にして受診する方も多く,中にはそのために他のことが何も手につかないという人もいる.逆に,顔にかなりの傷があっても気にならないという人もおり,その人の気持ちの持ち方によって本人や周囲のとらえ方も異なってくる.顔の障害はできるだけないほうがよいが,人間の体は神(自然)が作ったものであり,いくら技術が向上しても傷をあとかたもなく消すことはできない.しかし,最近の医学の発達によって,今まで困難と考えられていたあざの治療も格段に向上してきた.ここでは現在の医療において傷やあざをどこまで治せるか,形成外科の進歩と限界について症例をあげながら述べる.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.