特集 疾患・外傷のある顔—知っておきたい「見た目」の問題
臨床看護士として顔に障害をもつ患者(家族)にかかわる
大内 隆
1
1下伊那赤十字病院
pp.413-418
発行日 2000年5月1日
Published Date 2000/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903462
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
顔や皮膚など身体外表における先天性疾患あるいは後天的疾患によって外観異常をもつことになる人がいる.それは社会的に,あるいは個人的に,障害となって現われることとなる.形成外科が発達してきた現在でさえ,今なお顔や皮膚のあざや身体外表の障害で悩む人は多い.その理由は,顔などの身体外表は特に人目に触れやすく,この「人目に触れる」という問題が,その人の将来の生活や精神状態に多大な影響を及ぼすからである.
身体外表の障害・変形を含める各種の異常には,形態の異常や機能障害を伴うものも少なくなく,またそれ以上に外観の異常においては患者や家族に与える影響は大きい.また外表奇形にかかわる問題はその重傷度,治療(手術)可能か否かにかかわらず両親へのかかわりが重要である1)といわれているが,このことはもちろん当事者である患者自身にもいえることである.ここでは身体外表に障害・変形をもつ患者にかかわった結果から,その精神的援助方法と注意点に焦点をあてて述べたいと思う.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.