巻頭グラフ かお
大竹美貴子さん—愛知県立看護大学4年 家族成員の自立を支える看護者になりたい
おおたけ みきこ
1
,
本誌編集室
1愛知県立看護大学
pp.392
発行日 2000年5月1日
Published Date 2000/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903457
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大学で看護を学ぶ大竹さんの今に至る道は平坦ではなかった.いったん総合大学に入ったものの理論だけの世界に不安を感じ中退,その後結婚し2人の子どもを出産した,子育てしながら保母の資格を取り経済的自立の道を得た彼女が,看護を目指すのはその先のことだった.きっかけは長女のてんかんの発病.看病をしながら,女性の自立をサポートする資源のなさに歯がゆさを覚えた.そのときの実感が,病児(病時)保育をつくりたいという夢につながった.保育と看護の協同が模索できないか,と.
2年生だった1997年9月のこと.最愛の父を乗せた旅客機がインドネシアのスマトラ島に墜落,国際協力事業団の専門員として単身赴任中の父が亡くなった.第一報に天を仰ぎ,思わず「お引き受けできません」と叫んだという.悲しみと喪失感は大きく,授業でトリアージのビデオを見れば,重症の患者さえ生きていることがうらやましく,自分には看護職は無理なのではないかと思い悩み,休学した.
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