特集 病院における患者の性の問題と看護の関わり
老年期の“異性への意識”が及ぼす生活への影響—リハビリ施設における男女混合病室の試みを通して
高見 利恵
1
,
三石 久美子
2
,
芦谷 とし子
1
,
田畑 節子
1
1鹿児島大学医学部附属病院霧島リハビリテーションセンター
2鹿児島大学医学部附属病院霧島リハビリテーションセンター看護部
pp.1117-1120
発行日 1992年12月1日
Published Date 1992/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900761
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はじめに
私たちは,職場あるいは家庭,地域での社会生活において,男女が共に生活し生きていくことは極めて自然なこととしている.しかし,一旦入院してしまうと,同性部屋は当たり前とされ,男女混合病室はタブー視されてしまう.だが,適応能力や生活意欲に乏しくなりがちな老人にとって,入院中に健康時と近い環境で生活することは,社会復帰への適応もスムーズになると思われる.
そこで鹿児島大学医学部附属病院霧島リハビリテーションセンター(以下,センターと略)では,“異性を意識する”という心の緊張が,生活のメリハリや入院生活に楽しみ,活力を与え,ひいてはリハビリ意欲につながるのではないかと考え,男女混合病室を試みた.
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