特集 外来ナースよ目を醒ませ!
外来こそよいケアができる—筑波大学附属病院泌尿器科外来における看護
小林 美奈子
1
1筑波大学附属病院看護部
pp.802-806
発行日 1992年9月1日
Published Date 1992/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900707
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はじめに
当病院では3年前まで,外来には専属ナースがいなかった.病棟の看護婦が1週間単位で入れ代わる配置をされていた.月曜日の朝はこれから1週間,同じ外来で働く看護婦に挨拶をして,その週の目標を婦長に報告,どの看護婦も“事故を起こさないように”,“次の週の人たちに迷惑をかけないよう物品の補充をする”という目標が主だった.看護婦たちは,慣れない場所で仕事をこなすことで精一杯で,実際に検査室で直接患者と接するような時でさえも,患者が言いたがっていることに耳を傾けたり,質問に答えたり,知識や心理的サポートを与えたりするための時間も精神的な余裕もなかった1).また,医師,その他の医療チームからの期待も非常に低かった.
私が病棟から外来に配属が決まった時,“外来におりたら看護はないわよ”,“私だったら,外来におりてまで看護婦を続ける気はないわ”という人が多かった.また,看護をしたいという意欲を持ったスタッフが外来勤務を希望することは皆無に等しかった.このことから,スタッフは夜勤がなく楽な仕事をするよりも,よい看護ケアを実践できる環境を求めていると言えるだろう.
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