連載 ケーススタディ[ナースのための心理的アプローチ]・33
「独りで帰っていいですか」—屋上から飛び降りようとしたJさん
内藤 俊之
1
,
大熊 裕子
2
1JR東日本中央保健管理所
2JR東京総合病院高等看護学園
pp.822-825
発行日 1991年9月1日
Published Date 1991/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900462
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Jさんのプロフィール
自殺念慮の強いJさん
20歳の女子大生.小心で神経質,プライドが高く,ささいなことで傷つきやすい.境界例(神経性食欲不振症)と診断されたが,治療的には神経遮断薬投与が奏効し,ロールシャッハ・テストでは精神分裂病が疑われ,自殺念慮も強いという所見であった.
6年前の夏頃から食欲不振が始まり,3か月間精神病院に入院した.5年前にも睡眠薬を多量に飲んで救急車で運ばれるなど,自殺企図が数回あり,当科を受診,その後3週間入院した.Jさんは「頭が混乱して気を失う」「自分に行動が指示されている気がする」「人に動かされているようだ」などと訴えていた.
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