連載 ワットさんのペーシェントロジィ[今,患者が主役の時代]・24(最終回)
Nurses, Be Ambitious[2]
ワット 隆子
1
1あけぼの会
pp.286-289
発行日 1990年3月1日
Published Date 1990/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900076
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「やさしさ」の一語に尽きる
患者がナースに期待するものは何か.言い古されたことであるが,それは「やさしさ」の一語に尽きると思う.やさしさだけでは看護はできないと反論する人がいるのは十分承知.だがしかし,やさしさ無しでは看護はできない.ここだ,私の言いたいのは.もう1度しつこく繰り返そう.やさしさだけでは看護はできないが,やさしさ無しでは看護はできない,のだ.
人間は病気になると年齢や身分に関わりなく皆一様に幼児に戻る.幼児のように素直になり,甘えん坊になる.子供の頃風邪でもひくと,お母さんが額に手を当ててくれたり体温計を脇にはさんでくれたりふとんを襟首まで引っぱり上げてくれたりした.あのお母さんのやさしさはいつ思い出しても懐しく,胸がジーンと熱くなる.病人がナースに求めるやさしさとは,あのお母さんのやさしさなのだ.
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