連載 思い出すけっち[あの人、あの時、あの言葉]・15
私の看護学入門
大嶽 康子
1
1元武蔵野赤十字病院看護部
pp.230-231
発行日 1990年3月1日
Published Date 1990/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900066
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召集そして帰還
看護学校を卒業し,昭和12年に日中戦争が勃発するや否や,私は真先に召集された.そして,日赤救護班員として勇んで病院船へ乗り込んだ私は,荒波にもまれながらも夢中で傷病兵の看護をした.その後2度目の召集では中国大陸の野戦予備病院,陸軍病院等で,前線から送還される傷病兵の看護に我を忘れた.唯々これが自分に課せられた使命であると思って看護を続けたのである.
白衣の勇士たちはいずれも一様に喜んでくれた.私はその笑顔に満足し,生き甲斐を感じていた.
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