連載 臨床の詩学 対話篇・12【最終回】
パンの断面とミルクティー
春日 武彦
1
1成仁病院
pp.79-87
発行日 2010年11月1日
Published Date 2010/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101718
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ピントの外れた子どもであったせいか(もちろん今でもそうだが)、わたしには小さいころからいまひとつ合点のいかないことが多かった。たとえば──雨の日に火事が起きるのが不思議でならない。雨が降っていれば火は消えてしまうものだろう。それが道理ではないのか?ならば雨天に火事はおかしいではないか。矛盾しているではないか。
結局、現実におけるリアリティをまったく身に付けていなかったということで、それは経験値というよりは何らかのセンスの欠落としか思えない。
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