BOOKS in Review
―これからの人工呼吸―NPPV(非侵襲的陽圧換気療法)のすべて
川村 佐和子
1
1聖隷クリストファー大学看護学部
pp.62-63
発行日 2009年6月1日
Published Date 2009/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101468
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NPPV看護を習得するための教科書
気管切開、挿管からNPPVへ
この本の編者である石川悠加医師は長年、筋ジストロフィーを中心とする神経筋疾患とともに生活する人々の医療を担ってきた小児神経科医師である。先生の明るさと気さくさが、本書を具体的で見やすく、読みやすく、わかりやすくしている。執筆者のなかには看護師などいくつかの職種の職員がおり、チーム医療の実態を示している。
これまで看護職は、ICUなどのクリティカルケアで用いる生命維持療法としての人工呼吸療法になじんできたが、近年は訪問看護領域でもALSや筋ジストロフィーによる慢性換気不全に対する治療法として気管切開人工呼吸療法(tracheostomy positive pressure ventilation:TPPVと略)がなじみ深くなってきている。しかし、在宅でTPPVを行うことは気管切開創の管理や気管カニューレの着脱、頻回な気管切開創からの痰の吸引、呼吸器感染の危険性、行動の制限、会話困難など、多くの医行為や、生活の支障を伴っているため、ケアに苦労が多い。
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