巻頭カラー連載 A-LSD!病床からの誘惑・12【最終回】
病院でホテルの絵を描くこと
甲谷 匡賛
,
志賀 玲子
1
1大阪大学コミュニケーションデザイン・センター
pp.357
発行日 2008年5月1日
Published Date 2008/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101260
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- 文献概要
三年近く病院で暮らしながら、甲谷さんは、〈HOTEL ALS〉と小さな看板をかかげる、色鮮やかで楽しそうなホテルの絵を描いた。どんなホテルなんだろう、ここは。どんなもてなしが待っているのか。「もしかして、動けない、話せない、あなたの状態を味わわせてくれる、体験型宿泊施設だったりして?!」と尋ねる私に、「ホテルで休んで、生の流れを変えたい。人生を休憩したい。生の見方を変えようとした」と、彼は答えた。
「ホテル」と「病院(hospital)」が、同じく、「暖かいもてなし」を意味する「hospitium」につながる「hospes」というラテン語を語源としていることを知ったのは、ずいぶん後のことだ。
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