--------------------
木賃ホテル病院
H E
pp.21
発行日 1949年8月1日
Published Date 1949/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210148
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
おやじの病気は一向よくならない。村の先生に容体を聞いても一向はつきりしない。むすこが一日野良を休んで,町の病院まで診察につれて行った。結果は入院しなければいけないと云われた。そこで蒲團は勿論のこと,鍋,釜,まき,炭,米,味噌,野菜など牛車につみこんで,5里の山道を運んで行った。おやじとおつかあは車の上で,むすこは車の前に立って引綱を引いて行った。
おつかあは今日から病院で新世帯を始める。よくしたものでこの病院は,大勢で而も個々に炊事が出來るように万事都合よく出來ている。
Copyright © 1949, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.