特集 スピリチュアルケアとは何か? 看護師が臨床で実践できること
―看護師としてスピリチュアルケアに取り組む―緩和ケア病棟に勤務し,考えること
北端 恵子
1
1公立大学法人和歌山県立医科大学附属病院
pp.1000-1003
発行日 2007年11月1日
Published Date 2007/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101124
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今から7,8年前,私が小児科病棟に勤務していたときのこと,神経芽細胞腫で手術・化学療法・放射線療法と行なってきたが治癒の見込みがなく,呼吸困難のためベッド上で座位でしか眠れない5歳の子どもがいた.ある月夜,病室の窓から外を眺め,その子は母親に「ママ,僕もうすぐお星様になるの?」と言い,母親は涙が止まらなかったという話を聞いた.私はその時,この年頃でも死がそう遠くないことを感じているのだと思った.
しかし,その子がスピリチュアルな思いを話し,それを聞いていた母親がスピリチュアルペインを抱えていたのではないかということには,ずいぶん後になって,実際は現在の集学的治療・緩和ケア病棟にきて,スピリチュアルケアについて学習をし始めてから気がついたのである.
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