―看護師としてスピリチュアルケアに取り組む―スピリチュアルケアワーカー養成に携って

　昨今，医療の現場のみならず一般市民の間から「スピリチュアルケア」の重要性について認識が深まっている．かつて患者は，深刻な病状となれば治らない，治せないものとして片隅にいた．彼らの苦悩を受け止めて，心を癒し，内なる魂に気を留めることなど，多忙な業務からはほど遠い果ての課題であった．

　しかし，90年代ホスピス・緩和ケア病棟が承認されるに至り，遠藤周作氏の“こころあたたかな病院”に始まって日野原重明先生の“あたたかいおもてなし”の提唱などは，生老病死のすべての過程に寄り添う看護師にとって応援歌となった．