特集 知識が安心につながる ケアに役立つ薬のはなし
―知っておきたいパート2―健康食品・サプリメントと薬の飲み合わせ
堀 美智子
1
1医薬情報研究所(株)エス・アイ・シー
pp.518-524
発行日 2007年6月1日
Published Date 2007/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101010
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「薬の飲み合わせ」とは何か
口から飲んだ薬は,食道を通って胃へ入り,胃から腸へ移動している間に溶かされる.そして,主に十二指腸から小腸の間で多く吸収される.しかし,薬には吸収されやすいものとされにくいものがある.また,複数の薬を緒に飲むと,一緒に移動しながら薬同士,あるいは薬と食物などが作用し合うことがある.
次に,腸から吸収された薬は門脈を通って肝臓へ行く.肝臓には外から入ってきた異物,自分の体にとって不必要なものを解毒(代謝)する働きがある.薬も異物の一種であるため,この働きを受けて代謝される.その結果,薬は代謝を受けて,その作用をなくすものが出てくる.代謝に関与する酵素としてよく知られているのが,薬物代謝酵素(主にチトクロームP450)であるが,代謝酵素の働きが強かったり,弱かったりすると,薬の作用が弱くなったり,強くなったりする可能性がある.
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