特集 結果の出せる褥瘡対策チームを作ろう
褥瘡対策チームの必要性と看護師の役割
上村 直子
1
1埼玉医科大学附属病院
pp.106-110
発行日 2003年2月1日
Published Date 2003/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100912
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はじめに
2002年4月の診療報酬改定は,現状のデフレ経済のもと,本体が初の引き下げとなり,医療機関にとってはきわめて厳しい状況になっている.入院基本料には,新たに「医療安全管理体制未整備」「褥瘡対策未実施」の減算要件も出された.
1999年に設立された日本褥瘡学会では「褥瘡ゼロ」を目指して鋭意努力するとともに,厚生労働省に対して褥瘡対策や保険上の不備を訴え,改善を要望してきた.要望の骨子は,褥瘡管理費の新設・創傷被覆材使用制限の撤廃などであった1).しかし,厚生労働省から告示されたものは「褥瘡対策未実施減算」という結果であった.これは,医療側にはたいへん不利な減算である.つまり,厚生労働省の見解では,褥瘡対策は従来から当然実施されているものと捉えられているということである.このことが医療従事者に与えた影響は大きい.これを受け,2002年8月に金沢で開催された第4回日本褥瘡学会学術集会(学会長=金沢大学医学部保健学科教授・真田弘美氏)は,予想をはるかに超えた約4000人が参加し,問題意識を持った看護師の熱気で会場内はたいへんな暑さであった.
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