連載 周手術期の臨床看護判断を磨く 手術侵襲と生体反応から看護援助を組み立てる・12【最終回】
術後せん妄と看護
鎌倉 やよい
1
,
深田 順子
1
1愛知県立看護大学
pp.287-293
発行日 2007年3月1日
Published Date 2007/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100893
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共通する変化に個別の情報を重ねる
術後せん妄への看護においても,基本的には手術によって必然的に引き起こされる生体反応を軸に,患者個別の情報を重ね合わせて,術後の状態を予測していきます.個別の情報として,まず「患者が受ける手術・麻酔に関する内容」と「患者の身体内部の状態」を考えます.さらに,全身麻酔から覚醒した患者は,環境からの刺激を知覚し,術前からの時間的序列のなかで自己と環境との関連性を認識していくため,「患者の術後環境」も重要です.
せん妄は,原因を確定することが難しく,発症した個々の患者によって異なり,いくつかの因子が影響しあって発症へ向かっていると考えられています.術後のせん妄においては,全身麻酔による手術そのものが発症の因子となります.
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