連載 看護のアートをめぐるカフェ・トーク・12
看護のアートを追いかけて:看護ケアのエビデンスとは
谷津 裕子
1
1日本赤十字看護大学
pp.294-300
発行日 2007年3月1日
Published Date 2007/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100894
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看護のアートを追いかけて
「ヒロコさんから『看護のアートにおける表現』1について詳しく話を聞き始めてから,もう1年がたつのね.」
「そうですね.教授やミキさんとお話したことも,いまや懐かしい思い出ですね.」
「そうねえ! 今では私も看護のアートの概念にだいぶ明るくなった気がするわ.最近ね,看護のアートの概念を追いかけて,素敵な本を見つけたのよ.ぜひ読んでみて.」
モトコは満面の笑みを浮かべ,1冊の本2をヒロコに差し出した.
「わぁ,本当ですか? すごくうれしい!」
「この本の中で,量的研究と質的研究の違いについても言及されていて,量的研究ではどのくらいの大きさ・数・量かということ,つまりものごとの“程度”が追究されるのに対して,質的研究では,それは何か,つまりものごとの“本質”が追究される,と書いてあったの3.この比較の仕方,興味深いと思わない?」
「ええ,とても.“本質”という概念がまた難しいですが.」
「ヒロコさんは質的研究を行なったわよね? ヒロコさんはこの“本質”という概念にどんな側面があるって考える?」
「そうですね…大きく分けて,3つの側面があるのではないでしょうか.」
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