特別記事
「傾聴」「共感」を考える―「知りたい気持ち」から始まる医療コミュニケーション
堀川 直史
1
1埼玉医科大学総合医療センター神経精神科
pp.1186-1189
発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100578
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はじめに
傾聴や共感という言葉は,日常臨床でしばしば使われる.看護記録の「S」の部分に患者の発言が記載され,「P」に「傾聴」「共感」などと書かれている場合もある.また,これらに関連して,「患者さんの身になって」とか「患者様の立場に立って」などという発言を聞く機会も多い.
しかし,これらの言葉の意味は必ずしも明確ではないのではないか.いくら大勢の患者を知っているとしても,医療者が「“その人”の身になる」ことはできない.
これらを単に言葉の問題としてではなく,改めて考えてみることは,よりよい医療コミュニケーションのために非常に重要である.
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