教育講座 緑内障の点眼指導とコメディカルへの期待[2]
点眼指導に役立てたいエビデンス
青山 裕美子
1
1聖マリアンナ医科大学眼科
pp.1102-1109
発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100563
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点眼の間隔を5分以上あける根拠
2種類以上の点眼薬がある場合は,「5分あけてください」と患者に説明する.これはなぜだろうか? その根拠を探ってみよう.
まず,1つめは1973年のデータ1)である.図1は,点眼する量を変えて,結膜囊に残る量がどう変わるかを調べたものである.点眼量が少ない場合には,約60%が結膜囊に残っているが,点眼量が増えると点眼後すみやかに流れてゆき,点眼薬が結膜囊に残る残存率は10%であった.つまり,たとえ多量に点眼しても,点眼薬はすぐに結膜囊外に流れていってしまい,点眼後5分以降は結膜囊の点眼薬の量はほぼ一定になる.すなわち,点眼後5分経てば,結膜囊は同じ状態に落ち着くということである.
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