招待席
エンドオブライフ・ケアとは何か―“自然な死”のための臨床指針
鳥羽 研二
1
,
福井 小紀子
2
1杏林大学医学部高齢医学
2東京都立保健科学大学
pp.301-305
発行日 2004年4月1日
Published Date 2004/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100418
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――このたび私も部分的に翻訳を手伝わせていただきました,『エンドオブライフ・ケア―終末期の臨床指針』が,鳥羽先生の監訳により発行されました.今日は,エンドオブライフ・ケアとは何かというテーマでお話を伺います.まずは先生がこの本を目に留められた経緯からお話しください.
鳥羽 近年,終末期の医療をめぐる論議が盛んになってきました.ホスピスや緩和ケアなどいろいろな概念があり,それらに関する本も出版されていますが,いまひとつ痒いところに手が届かない観がありました.というのはまず,それがどのような人を対象にした概念なのかがはっきりしなかった.それから,実際にどのようなことやればケアをする人も死に行く人も満足できるのかという点において,納得のいく答えを得られるような書籍に出会うことができませんでした.今回訳書として出版する本書の原書を読んだとき,まさにそういった点に十分踏み込んでいることに瞠目しました.これは日本の死の臨床に関して大きなインパクトを与える本であると考え,早く訳さなければと思ったのです.
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