特集 根拠あるケアで患者の苦痛を減らすために 手術の疑問を解決します
―事例で紹介する―周手術期の感染管理対策
魚住 和代
1
1徳島大学病院手術部
pp.716-719
発行日 2006年8月1日
Published Date 2006/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100344
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はじめに
周手術期に最も注目すべき感染症は,手術部位感染(surgical site infection;SSI)であるといえる.手術を受ける患者にとって,術後に感染症を発生することは身体的な苦痛のみならず入院期間の延長に伴う精神的苦痛,経済的負担を増大させることになる.米国疾病管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention;CDC)の院内感染調査機構(National Nosocomial Infections Surveillance System;NNIS)システムが1992年にレポートした結果によると,SSIは在院日数を7.3日,コストを3152ドル(1ドル≒110円で換算した場合約35万円)増加させたそうである1)!
本稿では,SSI発生のさまざまな危険因子と防止のための知識を紹介する.
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