ステップアップ
術後せん妄は患者のバイタルサイン―正しい予防とケアのためのエッセンス
酒井 郁子
1
,
綿貫 成明
2
1千葉大学大学院看護学研究科
2藍野大学医療保健学部
pp.626-632
発行日 2006年7月1日
Published Date 2006/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100322
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せん妄とは何か
せん妄症状は,注意障害を含む意識混濁にさまざまな認知障害や精神運動障害を伴った病態であり,意識障害の一亜型である.その症状は,①意識の混濁と注意障害を中心に,②記憶見当識障害,③精神運動性障害,④睡眠覚醒リズムの障害,が加わることがある.また,特徴として急激な発症と症状の日内変動がある.
術後せん妄は,手術後に麻酔薬から離脱したと判断されてから,何らかの因子でせん妄症状を呈する場合をいう.多くは術後2~3日目に発症し,1~7日程度持続してやがて終息する.
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