連載 ベッドサイドで活かせる―みんなの呼吸アセスメント①【新連載】
呼吸の“頑張りサイン”を見逃すな!
大利 英昭
1
1都立駒込病院看護部
pp.1050-1055
発行日 2005年10月1日
Published Date 2005/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100219
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連載の開始にあたって
「看護は観察から」と言うけれど
「看護は観察(アセスメント)から始まる」と言います.看護が人の命にかかわる仕事である以上,しっかりした観察は重要なことであり,それが出発点になるのは当然.ですから,日本中に「○○の観察」と銘打った本がたくさん出回っています.でも不思議なことに,そのためにはどうしたらよいかを書いてある本はほとんどありません.看護学校の授業でも,現場に入ってからのOJT(on the job training)でも,誰もが「看護は観察から始まる」と言いながら,「どうやって観るのか」はほとんど教えてくれない.こんなに不思議なことが看護の世界では続いてきたわけです.
たとえば聴診.
「何言ってるの,聴診の方法を解説している本なんてたくさんあるじゃない!」
そうですね.聴診法を解説した本はいくらでもあります.では,ちょっと開いてみましょうか.そこには,患者さんに上半身を脱いでもらい,座位で聴診する手順が書いてあります.たとえば,「対象者の前胸部を,右鎖骨上から左右対称の下方へ進めていく」「左右続けて聴診すれば,左右の違いに気づくことができる」「できるだけ,1呼吸だけでなく数呼吸を聴診する」という具合.確かに正しいのですが,臨床でこのとおりにできますか?
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