Japanese
English
特集 スキルアップ内視鏡診療
Ⅱ.口腔・咽頭・食道
[観察・診断]
好酸球性食道炎のサインを見逃すな―診断と鑑別
Don’t overlook signs of eosinophilic esophagitis—Detection and differential diagnosis
小池 智幸
1
,
齊藤 真弘
1
,
八田 和久
1
,
正宗 淳
1
,
杉山 幸一
2
Tomoyuki KOIKE
1
,
Masahiro SAITO
1
,
Kazuhisa HATTA
1
,
Jun MASAMUNE
1
,
Koichi SUGIYAMA
2
1東北大学病院消化器内科
2杉山内科
キーワード:
好酸球性食道炎
Keyword:
好酸球性食道炎
pp.75-79
発行日 2024年10月18日
Published Date 2024/10/18
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001658
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Tips
● 縦走溝,ring(輪状ひだ,気管様食道),白色滲出物,浮腫,狭窄などが特徴的所見であることを認識する。
● 縦走溝,白色滲出物,上部より中部・下部食道で好酸球浸潤が高度であることを考慮し,異常所見を認める部位を中心に複数個の生検を行う。
● 食道壁の伸展によって所見が不明瞭になることがあり,送気量を調節するなど動的な観察が有用である。
● NBIでベージュ調粘膜,LCIで黄色調粘膜は,EoE と関連する所見である。
● 症状や内視鏡像は典型的であるが有意な好酸球浸潤が認められない場合,サンプリングエラーの可能性を念頭におき,再検や経過観察を考慮する。
● food impactionなどによる異物除去目的の内視鏡では,食物で背景粘膜の異常を十分とらえられない場合も多く,再検を考慮する。
● 好酸球が固有筋層中心に浸潤する好酸球性食道筋炎(EoEM)という新たな疾患概念も理解しておく。
● 内視鏡所見に加えて,飲水しながら食べるなどの食行動がないかなど,きめ細やかな問診も重要である。
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