招待席
世界規模での看護の質向上をめざして―現場から声を上げることが大切です
南 裕子
1,2
Minami Hiroko
1,2
1兵庫県立大学
2兵庫県立大学地域ケア開発研究所
pp.973-977
発行日 2005年10月1日
Published Date 2005/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100215
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――本日は日本人として初めて国際看護師協会(ICN)会長に就任なさった南先生をお迎えしました.まず,ICNについて簡単に教えてください.
南 ICNは,もともと国際女性団体の役員だった看護者が看護部会を作ろうとしたのが始まりです.1899年に第1回大会が開かれ,存命中のフローレンス・ナイチンゲールが,「親愛なる看護職のみなさんが“地の塩”として社会に貢献することを信じている」という祝辞を寄せたことが知られています.現在,129の国と地域の看護師協会で構成され,約200万人の会員が所属しており,国際的な保健医療福祉専門職の団体としては最大規模を誇ります.日本看護協会は,1933年にICNに入会し,55万人を擁することから,これまでもICNに大きく貢献してきました.
ICNというのは,そもそも世界の看護者――保健師・助産師・看護師すべて――の声を集めて,世界の保健医療福祉の方向性,また看護のありように対して発信していく組織です.ICNは重点事業として,看護実践の質の向上,看護制度の確立,看護者の労働環境の改善などの分野の事業を行なっています.『看護師の倫理綱領』をはじめ,さまざまな基準や制度について,世界の看護の質の向上のためのメッセージを発信します.
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