特集 看護が支える! 「安全」「確実」「安楽」ながん化学療法
―がん化学療法剤の管理と調剤―(毒)を毒薬にしない取り扱い方
樋口 順一
1
1国立がんセンター中央病院薬剤部
pp.783-792
発行日 2005年8月1日
Published Date 2005/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100178
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抗がん剤は「毒薬」か
がん化学療法に用いる薬(以下,抗がん剤と総称する)は,「毒薬」に分類されている.抗がん剤の添付文書を改めて確認してほしい.点滴バッグなどにも,それを示す○毒マークが必ずついているはずだ.
毒薬とは,人または動物の機能に危害を与え,またはその恐れがある医薬品である.もとより,抗がん剤の発見は,第二次世界大戦中の毒ガス事故が契機であった.抗がん剤は,制がん作用がある一方で,細胞毒性,変異原性,あるいは発がん性を有する,取り扱いの非常に難しい薬剤なのである.
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