映画
ボルジア家の毒薬
pp.31-32
発行日 1954年6月1日
Published Date 1954/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200622
- 有料閲覧
- 文献概要
ルクレチアの数奇な半生の物語り.まだ18才の彼女は兄チエザーレ・ボルジアに繰られる人形にすぎない.兄は彼女を最初ミラノのジヤン・スフオルザに嫁がせ,そして離婚させ,更にナポリのアラゴン公と結婚させる.真の愛を求める彼女には戀人である小姓のベロトオ,危機を救われ,小川のほとりで身をまかせた馬丁役の美青年の兵士のパオロがあつたが,いずれも兄の刄にたおされてしまう.謝肉祭の夜,ルクレチアは街に出て,魔法の鏡がうつしだした面影の人に出会う.アラゴン公との結婚式の日.夫は鏡の愛人で,憂いは喜びに変る.しかし妻の過去に夫の愛は薄らぎ.妻の告白によつて罪を許し,幸は再ひ新夫妻によみがえる.ある日チエザーレの刄はアラゴン公を襲い.ルクレチアは夫の看護に力を尽すが,夫は妻が陰謀の片棒をかついだと信じて妻を許さない.室外へ追い出され絶望した彼女は夫の短刀で自害をはかるが兄に中絶される.その時,夫は息絶えてしまう.ルクレチアの一生かけた愛人は血圧ぬられて死に,生きながら屍の心のルクレチアには,又も兄の命じる結婚がまっている1498年のローマ.
Copyright © 1954, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.