特集2 セルフケア能力を高める看護支援とは
外来患者のセルフケア行動へのアプローチ―慢性腎不全患者への塩分制限の指導場面を振り返る
本舘 教子
1
1聖マリアンナ医科大学病院外来
pp.692-698
発行日 2005年7月1日
Published Date 2005/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100163
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はじめに
外来という限られたかかわりの中では,看護師は最も身近な支援者として,患者自身の意思決定に基づいて問題解決と自己管理が行なえるようにかかわることが大切である.そのためには,看護師が一方的に知識を伝達したり,正しいと思える方向を強要するだけでは,患者がそれらの情報をもとに現実的な判断をし,実行に移すのは難しい.
当院では,看護相談の中に腎疾患の専門相談があり,医師や看護師あるいは患者さんからの依頼で生活指導を中心に対応している.腎相談の場合,毎年相談員が選出され(病棟・外来・腎浄化スタッフ),その中で担当を決めている.初回の腎相談後は,外来で必要時,継続して看護介入を行なう.
ここでは,筆者が外来の腎相談で,受け持ちとして担当したある患者の事例を振り返って,セルフケア能力を高める支援について検討したい.
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