連載 助産よもやも話・11
高血圧とナトリウム―塩分制限は必要
進 純郎
pp.173-175
発行日 2014年2月25日
Published Date 2014/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665102722
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“血圧”ってなんだろう?
血圧とは動脈壁を押し広げる血液の圧力です。血液は絶えず流れ続けているので,動脈を流れる血液量が最大の時を最大血圧(収縮期血圧),最少の時を最小血圧(拡張期血圧)といいます。一般的に最大血圧が120mmHg未満,最小血圧が80mmHg未満であれば,正常血圧で心臓血管系の病気になる率が最も低く,最大血圧が140mmHg以上,最小血圧が90mmHg以上であればリスクが高くなることが疫学調査からわかっており,高血圧は140/90以上と決められています。妊婦さんの血圧も,この値を標準に正常・異常を判定します。
血圧を上げる2大因子は血流量と血管抵抗です。血流量×血管抵抗が血圧となります。妊娠すると週数の増加とともに循環血液量が増えますが,妊娠維持ホルモンであるプロゲステロンなどの作用で末梢血管抵抗が低く維持されるので,血圧は上昇しないですむのです。
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