特別記事
学びたい心を刺激する糖尿病療養指導めざして―糖尿病網膜症教材「めだまんず」の開発と手ごたえ
森 加苗愛
1
Mori Kanae
1
1千葉大学看護学部老人看護学教育研究分野
pp.254-258
発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100112
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「糖尿病患者に失明する危険の高さを理解してもらえないもどかしさを感じる」
「自分自身のこととして受け止めてもらえる方法はないものか」…….
そんな思いを抱えた1 人のナースが立ち上がり,画期的な教材が誕生した.
はじめに
この記事を目にした方は,「めだまんず」って何?と思われたことでしょう.「めだまんず」は,糖尿病網膜症の眼球模型の名前なのです.
私は11年間,都内の大学病院で糖尿病看護に携わってきました.糖尿病は,その予防も含めて食事や運動・休養などの生活習慣が病気に大きく影響し,それだけに患者本人の自己管理が大切であることは言うまでもありません.そのため,私たち看護職者は糖尿病のことをよりわかりやすく患者さんにお伝えしようと努めます.しかし,自覚症状の乏しい段階では,糖尿病を自分の体のこととして理解していただくのはとても難しいことを幾度となく経験します.
私は糖尿病看護の専門性をより深めたいと思い,2001(平成13)年,糖尿病看護認定看護師への道に進みました.それは,糖尿病に対する看護職者の役割や課題を実感しながらも,慌しい現場に流されていた私に,久しぶりに与えられた学生としての時間でした.この時間の中で生まれたのが「めだまんず」です.
ここでは,「めだまんず」が生まれ,商品化に至るまでの経緯について,私の臨床経験や試行錯誤を交えつつご紹介したいと思います.
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