特集 専門・認定看護師を活用して 深まるがん看護
―がん化学療法看護認定看護師の立場から―がん化学療法を安全かつ効果的に行なうために
菅野 かおり
1
1日本看護協会神戸研修センター
pp.411-415
発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100072
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はじめに
近年,がん治療の領域では診断技術や新規治療法などの開発が急速に発展している.それに伴って治癒率は高くなり,がん患者の生存期間の延長が見られるようになってきている.
がん化学療法の分野においては,1990年代以降に新規抗がん剤の開発が進み,多くの薬剤が臨床に導入されるようになった.また,2000年以降には分子標的治療薬などの新しいタイプの抗腫瘍薬の開発が進み,さらなる治療成績の向上が期待されている.このような治療技術の進歩により,臨床の現場では多種類の治療薬や高度で複雑な治療法が混在する煩雑な状況に十分に対応しきれず,投薬や治療に関する医療ミスも多くなってきている.こういった現状のなか,患者の求める治療を安全に,そして効果的に行なうためには,正しい知識や情報を十分に理解したうえで看護にあたる必要があると考える.
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