特集 「コーチング」で失敗しないために知っておくこと 患者さんにホントに届くアプローチ
患者に対するコーチングを効果的に使うには
柳澤 厚生
1
1杏林大学保健センター・杏林大学保健学部臨床内科学
pp.206-211
発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100037
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はじめに
コーチングは,ビジネスの現場で上司-部下関係やチームワークの構築に普及し,この2,3年で急に医療現場にも本格的に導入されるようになった.コーチの語源は馬車(coach)をさす言葉で,「大切な人をその人の望むところに送り届ける」という意味がある.
看護の現場でもコーチングは,患者とのコミュニケーション,チーム医療,部下の育成,目標管理などに効果的であるともてはやされている.ところが実際には思ったほど現場で活用できていないのが現状である.コーチングは本を読んだ知識や短時間の研修だけでは身につかないからである.しかし,現場での実践や研修を通じてコーチングの奥を極めていけばいくほど,職場や看護の現場でこれほど役に立つものはない.
看護の現場でコーチングは,患者とのコミュニケーション,チーム医療,部下の育成,目標管理などに活用できるのだが,ここでは患者とのコーチング・コミュニケーションの事例と基本的スキルに絞って紹介し,コツと注意点について述べる.他の使い方については,参考資料をご覧いただきたい.
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