特集 母乳育児法—桶谷式とSMC方式
乳房ひとすじ55年,助産婦職に伝えて15年の桶谷そとみさん79歳のいま—前「助産婦雑誌」編集担当者
細波 星郎
,
前「助産婦雑誌」編集担当者
pp.720-723
発行日 1992年9月25日
Published Date 1992/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611903295
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高岡から大阪に転居した桶谷さん
「もう,大阪に移り住んで10年。高岡であの時は孫がガラスで目をけがし,心配のあまり夫が家を留守にしてしまった。ちょうどその折り税務署の人が来てしつっこく詰問され,疲れてしまった」
戦後,満州から昭和21年に引き揚げてきて以来,桶谷さんが富山県の高岡市で「桶谷治療院」と看板を掲げ,「よい乳を母と子に」と乳房治療手技を続けておられたことは,15年前の本誌第31巻第7号(1977年7月)で初めてご紹介しました。その後,桶谷さんの年来の希望であった「手技を助産婦職に伝えたい」という願いが実を結び,全国的な規模で助産婦さんがたが訪ねてきていたそうです。税務署の人にしてみれば,朝早くから夕方まで赤ちゃんを連れたお母さんたちが通いづめのうえ,助産婦さんの出入りも多いので,もっと所得の申告額は大きいはずだということだったかもしれません。
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